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2013 10,02 01:00 |
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2013年10月27日(日)、COMIC CITY SPARK8内、 <サンプル> ●サンプル1 「メランコリィ。まだ起きていたのかい」 血眼になってナポレオンを振り回していると、先程とは反対側に位置する扉が開き、この屋敷の主である壮年の紳士が姿を現した。遅い時刻にも関わらずスリーピース・スーツに身を包む彼に、疲れた様子は感じられない。少女は途端に表情を明るくし、クマのお友だちを投げ捨て、ぱたぱたと駆け寄った。 「おじ様! お仕事は、もういいんですの?」 「あぁ。計画通りの時刻に終わった。ただ、お前の起きている顔が見られたのは想定外だったな。今夜は運が良いようだ」 少女を悠然と抱き上げると、落ち着いた薄緑色の眼が自然に細まった。 「まぁ! おじ様!」 小さな身体は全身で感激を表現し、首元にめいっぱい両腕を巻き付けて頬擦りする。伯父はそれに応えてやるべく、癇癪で乱れてしまった絹糸の髪を、労わしげに撫でた。 ●サンプル2 「イ、イヤ……! あなたの撮影癖は、カイトさんに対してだけじゃなかったの?」 膝下に置いていたシルクのトップハットを咄嗟に手に取り、胸元で握り締めた。 「ルーク管理官もお久しぶりです」 「やぁ、どうも……」 ルークは軽い会釈を交わした。 ●サンプル3 言葉にしないことを美徳とする習慣のないこの国では、歯の浮くような愛の言葉が日常的に飛び交う、のだろう。そのような間柄の、それなりに夢があり、思いやりと可愛気を持ち合わせた相手と向かい合ったならば。 「あぁ……。普通だな」 大して期待していたわけでもないが、心に残る言の葉は、そこに生い茂っていなかった。 PR |
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