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2001 12,04 00:00 |
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夏休み 帝が剣道部の合宿でしばらくいないので、さびしくなった梵が修のおうちに遊びにきたよ 修の家は知らないので団地の入り口で待ち合わせると、私服でカバンを提げた修がいました 薄い赤紫のノースリーブ、縁に刺繍の入った涼しげな黒のスカンツ、ローヒールのサンダルに木製のアクセサリを身につけていて、とてもアジアンテイストです 「あれ? おしゃれだね。今日は出かけるの?」「いや。さっきまで図書館で勉強してたから」 さすがに修ちゃんは女の子なので上半身に服着せたよ 胸大きいのでゆったりめのノースリーブだと脇からちょっと見えちゃわないか心配だけど、修ちゃんには覗いたらただじゃ済まさないパワーがあるから大丈夫だよ(?) 「俺んちうるさいけど、部屋には入ってこないよう言ってあるから安心しろ」 玄関を開けた途端、子どもたちの賑やかな声が聞こえてきました 廊下からひとりの女児が出迎えに駆けてくるやいなや、梵を見て血相を変えます 「蘭、おかえり…って、茉莉じゃない!! 蘭、茉莉はどうしたの?!」 「茉莉はしばらく合宿って言ったろ? こいつは蓮。俺と茉莉の大事なお友だちだから、お前にとっても大事なお姉ちゃんだ」施錠しながら、梵に靴を脱ぐよう促します「浮気?」女児は真っ黒なまあるいお目目をむっと凹ませて修に詰め寄ります「なわけねーだろ。俺たちはみんなで仲良しなの。わかるか?」 修は女児の縮れた長い黒髪をくしゃくしゃと撫でてあやしました「はじめまして。梵天蓮といいます。蘭さんや茉莉さんとは高校の同級生で、下校中に体調を崩したとき2人に助けてもらってから、仲良くしていただいてます」帝や修の前でしか出さないあのかわいい声で挨拶する梵を、修は意外に思いました 細く可憐なポニーテールを揺らしてぺこりと頭を下げると、女児も慌ててご挨拶します「妹の麻です。いつも姉ちゃんがお世話になってます。…さっきは疑ってごめんなさい。あの、よかったら、私のことアーシャって呼んでね!」梵がニコリと笑うと、アーシャはお顔を真っ赤に染めました「きれいな人ね…」 梵はよくかわいいとは言われてきましたが、きれいと褒めるのは、親の仕事の人たちや、部活の後輩たち、そしてひなるなくらいなものでした さらに、修に手土産のプリンを渡すと、麻は大喜びしました 打算のない小さな麻の言動に、梵の気持ちは柔らかくなりました 「姉ちゃん冷やしてくるから、洗面所通って部屋に案内しといて」「うん!」修は扉の向こうに消えていきました いいお返事をした麻は、洗面所で梵に手を洗うよう促し小声で尋ねます「蓮ちゃん、ほんとに姉ちゃんのお友だち?」「そうよ」質問の意図がわからず、少し屈んで目の高さを合わせると、 自分の両頬に握った両手を当てて、きゃーっと嬉しそうな声をあげました「姉ちゃんね、茉莉以外のお友だち連れてくるの、たぶん初めてなの」そうなのか…驚いた梵だった 「これからも仲良くしてあげてね」弾んだ声で言い残され部屋に通されて、勝手に腰を下ろすのを躊躇っていると修が戻ってきました 初めて会ったひとに姉ちゃんのそんな秘密バラしていいのかよって感じですけど、このJK世界線ではまだ8歳なので大目に見てあげてください部屋は6畳でフローリングです まず目に入ったのが木製の2段ベッドでした 上段にはぬいぐるみがいくつか並んでおり、下段には畳まれた灰色の上掛けと大きな枕が置かれているのみで、修が下段を使っているのだと、梵には一目でわかりました ベッドと逆側の壁には幅広の机と大小の椅子、 窓際には窓を覆わないよう背の高いスリムな本棚と、背の低いキャスター付きの木製ラックが組み合わさって並んでいました 壁の所々には麻が描いたのでしょうか、修の似顔絵や、果物や音符、星などの形をした蓄光ステッカーが貼られていました 「好きなほう座れよ」 修は盆に乗せた冷たい麦茶と煎餅を机に置きました 梵は麻の椅子を借りることにしました 「で、今日は、」 修はにんまりして言いました 「あいつがいない所で、恋バナしようぜ!」 梵も乗り気でヒューッと小声で手を叩きました 細っこい両脚をぱたぱたさせる梵ちゃんかわいいね 修は机の上に修家のホームアルバムと、幼稚園・小学校・中学校時代の卒業アルバムをどんどん並べていきます 赤ちゃんだった頃、幼稚園の制服姿のもの、お出かけや旅行写真など、スナップ写真はたいていどれも帝と修が一緒にいて、修はしかめっ面もありますが、帝はにこにこの笑顔でした「2人とも今と変わらないね。でもかわいい」ふふっと微笑む梵ちゃんかわいい 修は赤ちゃんの頃から額の左右から一筋の白髪が生えていました「だから言ってるだろ。これ生まれつきで、俺チンピラじゃないって」「ごめんなさい」ふにゅ、っと謝る梵ちゃんかわいい「あれ? 入園式の写真はないの?」 よく気付いたな、と修は少し苦い顔をしました 聞いちゃまずかった…? 梵は一瞬構えましたが修が教えてくれました もともと修は保育園、帝は家にいました 休日だけ遊んでいたうちはよかったのですが、帝が幼稚園に入ったとき、修が居ないのが気になって、半年くらい園で一日中泣いていたそうです 「馬鹿だよなぁ。ふつう慣れるだろ」「うーん…」見かねた先生が帝ママに相談すると、帝父母は修父母に談判しました 園の費用はうちで持ちますし、帰りもうちで預かりますので蘭ちゃんも幼稚園に来てくれないかと「費用負担は遠慮したそうだが、揃いの私物とか色々もらって、実際助かったらしい」ええー、お言葉に甘えちゃったの…、と引き気味の梵ちゃんに言いました「いや帝の親、優しいけどけっこう強引なとこあるから」逃げらんねーぞと そうなんだ… 以前、旅行に誘われたとき、梵の両親が付いていけないからと一度断りましたが、面倒は任せてと連れて行かれたことを思い出した梵でした 「俺は幼稚園に移ってから、帝がべったりで、友人とかは全然できなかった」「へえー、今はクラスではそんな感じしないよ」「高校にもなってそうなら病気だろ」 でも同じ高校にしたのはそういうことなの? まあ…、それも少しある… 苦笑いする修でした 「で、こんな流れでアレだけど、」 お前、帝からちゃんと言われた? ん、何を? 好きですとか、付き合ってとかそういうの 梵は首を横に振りました「私から言ったほうがいいのかな…」 修はハァ…と溜息をつきました「お前も馬鹿かよ。既に色々してて今さらだけど、あいつから言わなきゃダメだろ。あと、」 お前と帝が色々してるとき、そろそろ俺いなくても平気か?「えっ嫌」梵はすかさず修の服の裾を掴みました 即答かよ… 「俺、秋からバイト始めることにしたから、もうあんまりお前と一緒に帝んち行けねぇんだわ。だから2人きりでするのに慣れてほしい」「……!」 梵は小さなお口をぱっくり開きました 「帝と2人きり、怖いか?」ううん 「恥ずかしいか?」うん 「でも、帝と一緒に居たいだろ?」うん… 修が続けます 「帝な、俺とばっか居たから、ペースが俺基準になってて、お前には色々きつかったと思う。告るのはあっちにさせたほうがいい。でも、これからはお前も言いたいことちゃんと言いな」 梵は帰宅後、自室で修の話を思い出していました 帝は梵のこと絶対好きだから、絶対大切にしてくれるから、2人きりでしたほうが絶対気持ちいいから… そのためには自分の意見を言わなきゃダメなんだ… 自然にスマホに手が伸びました Renren「帝ちゃん、合宿から帰ったら、2人で遊びましょう」 +++今回はここまで あれっ全然恋バナしてないぞ?! 次回は帝梵2人きりで遊ぶよ! 突然の連絡に首を傾げる合宿所の帝ちゃんと、お家とお外とどっちがいいか悩んでる梵ちゃんかわいい!! PR |
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