2024 11,25 15:53 |
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
2002 03,24 00:00 |
|
+++
「お邪魔します」「あら蓮ちゃん、いらっしゃい」梵は今日もかわいい私服でやってきました 白地に大きなヒマワリに葉っぱのデザインのノースリーブワンピース、髪留めも揃いのヒマワリモチーフです 手には大きな紙袋を提げています 「どうしたんだ、それ」「あの、これ、ご挨拶なんです。ご迷惑でなければ飾ってください」 紙袋の中身を取り出すと、ひとつは、小さく編まれた白いかごにかわいいお花が見栄え良く刺さってました「もしかして、お前が?」「うん、今朝作ったの」「あら、見事ねぇ!」帝ママも感心してます「どこがいいかしら。玄関? リビング? それとも茉莉の部屋がいい?」「邪魔にならない場所なら、どこにでも」 帝ママはそうねえと考えてました「でも、いいの? 手作りだなんて、時間もお金もかかってるんでしょう?」「だいたい何のご挨拶なんだ?」「え、帝ちゃん、お母さんにお話ししてないの?」梵は小さく驚きました 帝ママは我が娘をジト見しました「そういえばあんた、蓮ちゃんが初めて来た日も先に教えてくれなかったわよね」「あ、ああ……」いや、でも、今日は何の話なんだ 「先日茉莉さんと遊びに行ったとき、これからも仲良くしてくれるって言ってくれて、とっても嬉しかったんです。だから、そのご挨拶なんです。これからもよろしくお願いします」ぺこりと頭を下げると、白くて細い髪の束が可憐に揺れました 「ええ、やだそんなご丁寧に……。昨晩にね、お母さんからもお電話頂いて。茉莉、何言ったのよ。そんな感動されるようなこと言ったの?」「え、いや、俺は……」帝は口ごもりました だって自分の母親に、クラスメイトと付き合うことになったなんて話してません まして、どちらかというと脅しのようなことを言ってしまった…… 「まあ今日は夕方までゆっくりしていってくれよ」梵は満面の笑みで頷きました かわいいね 部屋に入るなり、帝はあわてて梵に尋ねました「おい、梵、お前自分のお母さんや俺の母さんに何て言ったんだ」「んん? さっき言ったとおりのことだけど。だって帝ちゃんあの日、親にも先生にも警察にも言っていいって言ったよ?」「いや、そうは言ったが……」 腰を下ろすと、こっそり言いました「でもね、私のママには帝ちゃんとお付き合いすることになった、って、ちゃんとお話ししたわ。ママ喜んでくれたの。大丈夫、帝ちゃんのママにはそこまで言わないで、ってママに言ってあるし」ひええ、お母さんにはバレてるのか…… 帝は梵ママの顔を思い浮かべていました 「それとね、これ、はいっ」紙袋からもうひとつ、今度は大きいものを取り出しました 直径30cm強、厚さ10cmほどはあるでしょうか、絵本調の、象さんの絵柄のクッションです 帝は興奮して、わっと声を上げました「かわいい!!」お礼を言うと、梵は、うふふ、と笑いました「喜んでもらえてよかった」 梵も同じシリーズで、小鳥柄のものを買ったのだそうです スマホで部屋に飾られた様子を見せてくれました「絵柄は違うけど、お揃いよ。ね、これぎゅっとして見せて?」さっそく帝ちゃんに抱っこさせます「帝ちゃんかわいい~!」梵は満足げにうんうんと頷きました お昼は帝や梵も一緒に準備して、3人で冷たい素麺を食べました おいしいね 食卓の真ん中には、帝ママが花かごを置いてくれました「蓮ちゃんは夏休みの宿題終わったの?」「終わりました。帝ちゃんまだなの?」「ああ~、古文が少し手こずっていてな」そっかぁ、高入生のほうが量多いもんね…… 「食べたら一緒にやろうよ」「ありがたい」「助かるわぁ」お片付けもして、ふたりはまた2階に上がっていきました 帝は古語辞典と、四段活用の表とにらめっこしながら、物語文の回答欄を埋めていきます 梵ちゃんは帝の代わりにさっきの象さんクッションを抱っこして、問題を一緒に眺めてます ふと、最近流行りの歌謡曲を思い出して、ケミカルウォッシュの意味をスマホで調べたりしてました へえ…… 帝ちゃんが宿題を全て終えたのは午後4時過ぎでした 帝ママがスイカを切って持ってきてくれました 晴れやかな気分でかじる味は格別ですね 「帝ちゃんあのね、」食べ終えると、梵は帝のTシャツをきゅっと掴んでお話ししました「今まで、その……、そういうことするときね、私にはちょっとペースが早いなって思ってて……」修ちゃんも自分の意見を言わなきゃだめだって言ってたので、きちんと言いました 帝も、普段から梵が時々苦しそうにしていることに気付いていましたし、真面目に返事してくれました「すまなかった。これからは俺たちに合ったペースを探していこう」そして尋ねます「俺も聞いておきたいことがある。大切にしたいから、お前の身体、どこが悪いのか正確に教えてくれ」 その後、帝は梵を股の間に引き寄せて背中から緩く抱いて、指の足し算ゲームなどをして遊びました くっつくと暑いしべたつきますが、これが自分の恋人なのだと思うといい気持ちです 揺れるポニーテールからは夏の甘い香りがしました 突然、梵は帝の指先を片手でぱくっと掴まえます 帝はびくっとしました「何だ?」「帝ちゃん、指長い。爪きれい」梵は何でもないというふうに、帝の爪の根元などを揉みました「そうか?」首の後ろから帝ちゃんが頭をにゅっと出してきて、長い横髪が梵のほっぺや首、鎖骨の辺りにこすれます「うふふ、くすぐったい」 たわいもない、静かなふれあいです 帝ちゃんがわかってくれて、梵ちゃんはとても嬉しく思いました +++ 前回わけもわからず自分のこと振りかけた帝ちゃんとの交際宣言を母親に堂々としたうえに、単身遊びにきてプレゼント渡してくる梵ちゃんの強メンタルよ…… さすがにもうひとりのお友だちを交えてしょっちゅうひみつの遊びをしています、なんてことは言ってません あっ、ところで修ちゃんには報告したの? その辺りは日をあらためて、また。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
忍者ブログ [PR] |